生前贈与110万円は廃止されるの?

生前贈与110万円は廃止されるの?

親や祖父母から毎年110万円までなら贈与税がかからないって聞いたことありますよね。

相続税対策として長年使われてきたこの制度ですが、「廃止されるかもしれない」という噂を耳にして不安になっている方も多いのではないでしょうか。

実は私も両親から「そろそろ生前贈与を考えているんだけど、制度が変わるって聞いて心配で」と相談を受けて、慌てて調べた経験があるんですね。

この記事では、生前贈与110万円の基礎控除が本当に廃止されるのか、いつから変わるのかという疑問に、最新の情報をもとにお答えしていきますね。

読み終わる頃には、今後どう対策を考えればいいのか、具体的なイメージが持てるようになっているはずです。

結論:110万円の基礎控除は廃止されていません

結論:110万円の基礎控除は廃止されていません

生前贈与の年間110万円の基礎控除は、2025年現在も廃止されておらず、具体的な廃止時期も発表されていません

「廃止されるのでは?」という噂が広まった背景には、2021年頃から税制改正の議論があったことが関係しているんですね。

でも実際に変わったのは、110万円の枠そのものではなく、相続税を計算する際の「持ち戻し期間」というルールなんです。

つまり、110万円以下の贈与なら贈与税はかからないという基本は今も変わっていないので、安心してくださいね。

ただし、2024年1月1日以降の贈与については、相続が発生したときの計算方法が変わったので、その点は知っておく必要がありますよね。

なぜ「廃止される」という噂が広まったのか

なぜ「廃止される」という噂が広まったのか

税制改正大綱での「見直し」が話題に

2021年の税制改正大綱で「暦年課税の見直し」という文言が盛り込まれたことが、大きなきっかけになったとされています。

メディアでも「110万円の非課税枠が廃止か?」といった見出しで報道されたので、不安になった方も多かったかもしれませんね。

私も当時、親戚から「来年から110万円の贈与ができなくなるの?」と聞かれて、正確な情報を調べるのに苦労した記憶があります。

でも実際には、2022年も2023年も、そして2024年の税制改正でも、110万円の基礎控除そのものは維持されました

富裕層の節税対策が問題視された背景

そもそも、なぜ「見直し」が議論されるようになったのでしょうか。

それは、資産を多く持つ方が、長年にわたって毎年110万円ずつ贈与を繰り返すことで、相続税を大きく減らせてしまう点が指摘されていたからなんですね。

例えば、10年間にわたって毎年110万円を子どもに贈与すれば、合計1,100万円もの資産を非課税で移転できますよね。

これが「意図的な税負担の回避」として問題視され、制度の見直しが検討されるようになったわけです。

公平な税負担の実現という観点から、政府としても対策を考える必要があったということなんですね。

「廃止」ではなく「ルール変更」が正確な表現

結果として、110万円の基礎控除自体は残されました。

ただし、相続が発生した際に「いつまでの贈与を相続財産に含めるか」というルールが変更されたんです。

つまり、「廃止」ではなく「使い方のルールが厳しくなった」というのが正確な理解ですね。

この違いを知っておくことで、今後の対策も立てやすくなりますよね。

実際に何が変わったのか:持ち戻し期間の延長

従来のルール:死亡前3年以内の贈与を加算

まず、改正前のルールを確認しておきましょう。

以前は、相続が発生した場合、亡くなる前の3年以内に行われた贈与は、相続財産に含めて相続税を計算するというルールがありました。

これを「生前贈与加算」とか「持ち戻し」と呼ぶんですね。

たとえば、お父さんが亡くなる2年前に110万円を贈与していた場合、その110万円も相続財産として扱われ、相続税の対象になるということです。

つまり、贈与税はかからなかったけれど、結局は相続税の対象になってしまうわけですね。

改正後のルール:死亡前7年以内に延長

2023年の税制改正で、この期間が3年から7年に延長されることが決まりました

2024年1月1日以降に行われた贈与から、この新しいルールが適用されるんですね。

ただし、いきなり7年になるのではなく、段階的に移行していく仕組みになっているんです。

具体的には、2026年末までの相続は従来通り3年、2027年以降は徐々に対象期間が延びていって、2031年1月1日以降の相続から完全に7年ルールが適用されるとされています。

110万円以下でも持ち戻しの対象になる

ここで注意したいのが、110万円以下の贈与でも、持ち戻しの対象になるという点なんですね。

「110万円以下なら贈与税がかからないから、相続税も関係ないんじゃないの?」と思われるかもしれません。

でも実際には、贈与税と相続税は別の税金なので、それぞれ別のルールで計算されるんです。

  • 贈与税の観点:年間110万円以下なら贈与税はかからず、申告も不要
  • 相続税の観点:死亡前7年以内の贈与(暦年課税)は、金額に関係なく相続財産に加算される可能性がある

ただし、延長された4年間分(つまり3年を超えて7年までの部分)については、合計100万円までの控除が認められているので、少し救済措置はあるんですね。

段階的な移行スケジュール

具体的な移行スケジュールを整理すると、こんな感じになりますよね。

  • 2024年〜2026年:従来通り死亡前3年以内の贈与を加算
  • 2027年〜2030年:2024年1月1日以降に行った贈与が対象となり、徐々に期間が延びていく
  • 2031年以降:完全に死亡前7年以内の贈与を加算するルールに

少し複雑に感じるかもしれませんが、急に変わるのではなく、時間をかけて移行していくという理解で大丈夫ですよ。

具体例で理解を深めましょう

ケース1:早めに贈与を始めた場合

例えば、60歳のお父さんが、今から毎年110万円ずつお子さんに贈与を始めたとしますよね。

もしお父さんが85歳まで長生きされた場合、25年間で合計2,750万円を非課税で贈与できることになります。

この場合、亡くなる7年前より前の贈与(78歳までの18年間分)は、相続財産に含まれないので、節税効果はしっかりあるんですね。

早めに始めることで、持ち戻しの影響を受けない贈与を増やせるというわけです。

私の知り合いで、お祖父さんが元気なうちから孫への贈与を始めて、教育資金や結婚資金に充てているご家族がいるんですが、本当に賢い方法だなと思いましたね。

ケース2:高齢になってから始めた場合

一方で、80歳になってから「そろそろ相続対策を」と考えて贈与を始めた場合はどうでしょうか。

仮に5年間、毎年110万円を贈与して、85歳で亡くなられたとします。

この場合、贈与した550万円すべてが持ち戻しの対象になってしまうんですね(7年以内なので)。

結果として、贈与税はかからなかったものの、相続税の計算には含まれてしまうことになります。

つまり、高齢になってからの駆け込み贈与は、以前ほど節税効果が期待できなくなったということなんですね。

これは私自身も父親に伝えたときに、「もっと早く知りたかった」と言われてしまった経験があります。

ケース3:相続時精算課税制度との比較

2024年からは、「相続時精算課税」という別の制度にも変化がありました。

この制度を選択した場合でも、年間110万円までの贈与は贈与税・相続税ともにかからず、申告も不要という新しいルールができたんです。

例えば、親から住宅購入資金として500万円をまとめて受け取りたい場合を考えてみましょう。

  • 暦年課税の場合:110万円を超える部分に贈与税がかかる(ただし持ち戻しは7年間のみ)
  • 相続時精算課税の場合:2,500万円まで贈与税はかからないが、相続時に全額が加算される(ただし年110万円以下なら加算されない)

どちらが有利かは、その人の資産状況や年齢、相続までの期間などによって変わってくるんですね。

このように、選択肢が増えたことで、それぞれの家族に合った方法を選べるようになったとも言えますよね。

今後の見通しと注意すべきポイント

将来的な廃止の可能性は?

現時点では廃止されていない110万円の基礎控除ですが、将来的にはどうなるのでしょうか。

専門家の間では、「いずれは相続時精算課税に一本化される可能性もある」という意見もあるようですね。

ただし、2025年時点で具体的な廃止の予定は発表されていません

税制改正は毎年行われるものなので、今後の動向には注意を払っておく必要がありますよね。

私も毎年12月頃に発表される税制改正大綱は、必ずチェックするようにしているんです。

形式だけの贈与には要注意

110万円の枠が使えるからといって、形式だけの贈与には注意が必要なんですね。

例えば、親が子ども名義の通帳を作って、そこに毎年110万円を入金しているだけで、子ども本人は存在すら知らないというケースです。

これは「名義預金」として税務署に否認される可能性があります。

贈与として認められるためには、以下のような点が大切になってきますよね。

  • 受け取る側が贈与の事実を知っている
  • 通帳や印鑑を受け取る側が管理している
  • 贈与契約書を作成している
  • 実際に受け取った人が自由に使える状態にある

私の友人で、親が子どもに内緒で作っていた通帳が、相続時に名義預金と判定されて追加の税金が発生したケースを聞いたことがあります。

せっかくの贈与が無駄にならないよう、適切な手続きを踏むことが大切なんですね。

専門家への相談も検討しましょう

相続税や贈与税は、それぞれの家族の状況によって最適な対策が異なります。

財産の額、家族構成、年齢、今後の生活設計など、考えるべき要素はたくさんありますよね。

特に以下のような場合は、税理士さんなどの専門家に相談することをお勧めします。

  • 相続財産が基礎控除額を大きく超える見込みがある
  • 不動産など分けにくい財産が多い
  • 暦年贈与と相続時精算課税のどちらを選ぶか迷っている
  • すでに長年贈与を続けていて、今後の方針を見直したい

相談料はかかるかもしれませんが、間違った対策をして後で税金が増えるリスクを考えれば、決して高くない投資だと思いますよ。

まとめ:110万円の基礎控除は今も使えます

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

改めて整理すると、生前贈与の年間110万円の基礎控除は、2025年現在も廃止されていません。

ただし、2024年1月以降の贈与については、相続時の持ち戻し期間が3年から7年に延長されるというルール変更がありました。

廃止されたわけではないけれど、使い方を工夫する必要が出てきたという理解が正確ですね。

早めに贈与を始めることで、持ち戻しの影響を受けない期間を長く取れますし、相続時精算課税という選択肢も視野に入れることができます。

将来的な制度変更の可能性もゼロではありませんが、今できることから始めることが、何より大切なんですね。

それぞれのご家庭に合った方法を見つけて、計画的に進めていくことをお勧めしますよ。

まずは家族で話し合うことから始めてみませんか

相続や贈与の話って、なかなか切り出しにくいテーマですよね。

私も最初は「まだ早いかな」「縁起でもないかな」と思って、なかなか両親と話せなかったんです。

でも実際に話してみると、親も「いつか話さなきゃと思っていた」と言ってくれて、お互いにホッとした経験があります。

制度が複雑で分かりにくい部分もあるかもしれませんが、大切なのは完璧な知識ではなく、家族みんなで考えようとする姿勢なのかもしれませんね。

この記事が、そんな会話のきっかけになれば嬉しいです。

年末年始など、家族が集まる機会に「将来のことをちょっと話そうか」と切り出してみてはいかがでしょうか。

税制は変わっていくものですが、家族を思う気持ちは変わりませんよね。

まずは一歩、踏み出してみることから始めてみてくださいね。

実は私も、この記事を書きながら「そういえば最近、親と相続の話をしていないな」と気づきました。

今度の週末、久しぶりに実家に帰って、お茶でも飲みながらゆっくり話してみようと思っています。

皆さんも、自分のペースで大丈夫ですので、できることから始めてみてくださいね。

税制のルールは複雑に見えても、結局は「家族の幸せのため」という目的は同じですから。

不安なことがあれば、専門家の力も借りながら、一緒に考えていけば大丈夫ですよ。